うつ病とは
うつ病は、脳の機能が病的に低下した状態であり、それによって憂うつな気分や様々な意欲(食欲・睡眠欲・性欲など)の低下といった心理的症状が続き、またいろいろな身体的症状を伴うことも少なくないため、心療内科で最も受診される方が多い疾患です。
こんなうつ病の症状はありませんか?
- 気分が沈んでいる
- 興味がわかず、楽しめない
- 食欲の低下(増加)、体重の増減などがみられる
- 寝付けない、夜中や早朝に目が覚める
- 動作や話し方が遅い、またはイライラし、落ち着きが無い
- 疲れを感じたり、気力がわかなかったりする
- 自分には価値が無い、または生きていて申し訳ないと感じる
- 仕事や家事に集中したり、何かを決断したりすることができない
- この世から消えてしまいたいと思うことがある
うつ病には治療が必要
うつ病は気持ちの問題などではなく、ましてや心が弱いために罹る病気などではありません。したがって、気力で解決するようなことは不可能です。適切な治療が必要ですので、うつ病が疑われたら、早めに専門の医療機関を受診してください。
うつ病の治療
うつ病には、主に下記の3つの治療法があります。
休養
うつ病の患者さんは心身のエネルギーが大きく低下していますので、エネルギーを充電するために、休養はとても重要な治療と言えます。また、ストレスとなっている状況(職場、仕事、家庭など)に身を置くことで発症することが多いため、うつ病の治療にはそういったストレス状況(ストレッサー)からの回避が最も有効です。
精神療法
心理的側面からアプローチする治療法で、主にカウンセリングを通じて行われます。代表的なものに「認知行動療法」があります。これは物事の捉え方(認知)や問題となっている行動を見つめ直し、自分の陥りやすい思考や感情パターンに気づいて、心や行動をうまくコントロールできるようにし、ストレスを軽減していく治療法です。医師によるサポートのみならず、心理士によるカウンセリングを同時に受けることで、その有効性は大きくなります。
薬物療法
薬物療法の中心は「抗うつ薬」です。抗うつ薬にもいくつかのタイプがあり、症状や状態に応じて使い分けます。最新の抗うつ薬は非常に有効ですが、効果が現れ始めるまでに通常1週間~数週間かかります。効果が現れないからといって自己判断で薬を止めてしまうと、有効性を実感できないだけでなく急な中断によってかえって症状が重くなることもあり、注意が必要です。また、再発を防ぐために、症状が消失した後も一定期間は服薬を続けた方がその後の再発率が低くなります。抗うつ薬に加えて、抗不安薬や睡眠薬などを併用するケースもあります。